てったい北関東

覚書、感想、備忘録

「思い、思われ、ふり、ふられ」感想

浜辺美波の甘酸っぱい恋愛映画、キュンキュンするのを期待していたのに。

魅力的な異性が家族、こんな環境をこの映画では決して甘酸っぱくなんか描かない。
告白したくてもできない、家の中でもふるまい方を考えなければいけない。
一体彼らがどうしてこんな状況に陥った?
それは、彼らの親が悪いのだ。

どうしたって子供は親の影響を受けなくてはいけない。
親のお金で生活をしなくてはいけないし、
働いて自立するにも年齢が足りない。
それが子供だ。逃げ場のない彼ら。
それでもこの映画はそこで終わらない。

でも、本当にそれだけなのか?
それを理由に、彼らはできることをやっていないのではないか?

親の結婚に、反対することはできたのではないか?
何も言わず、言おうとしたことをなかったことにし、
何かに理由をつけてしょうがないと自分をごまかし、
そうやって今の環境に逃げていたのではないか?

思い、思われ、ふり、ふられ
登場人物たちは、彼ら同士で、思い、思われ、ふり、ふられ
相手を思い、自分を変えていく。
未来を見据える。ここではないどこかを。
そんな彼らがとても素敵だった。

少年少女たち、逃げ場はないかもしれない。
けれどそれを理由にやるべきことを探すのをやめてはいけない。
自分のやりたいこと、伝えたいことに目を背けてはいけない。
それは決して楽な道ではない。おとぎ話ではない。
それでもそれは、自分を生きる唯一の方法なのである。
力強いメッセージだと思った。

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